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12日と13日の両日に米国ワシントンD.C.で開かれた米国・ASEAN特別首脳会議への出席に合わせて同国を訪問していたファム・ミン・チン首相は、16日午後(現地時間)、ニューヨーク証券取引所(NYSE)を視察し、NYSEに上場する複数の大手企業の最高経営責任者(CEO)とのセミナーに臨んだ。
チン首相はこの席で、NYSEに対し、ベトナムの証券市場の持続可能な成長を支援するよう要請した。首相の立会いのもと、金融・銀行・投資ファンドの分野における両国企業間の2件の協力覚書が締結された。
これには、ベトナム証券市場のフロンティア市場から新興国市場への昇格の支援と、投資家が両国の証券市場に参加するためのメカニズムの構築に関するベトナム財政省傘下の国家証券委員会(SSC)とNYSEとの間の協力文書が含まれる。
セミナーには、電子・光ファイバーコネクタ、ケーブル、相互接続システムの主要メーカーであるアンフェノール(Amphenol)や、健康補助食品の専門メーカーでスキンケア製品なども扱っているハーバライフ(Herbalife)などの責任者が参加したほか、ベトナムからは地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)やソビコ・ホールディングス(Sovico Holdings)など、ベトナムのトップクラスの企業の責任者も出席した。
チン首相はこの席でスピーチを行い、為替レートやインフレ率、金利などが効率的に制御されていることなどベトナムのマクロ経済の安定性をアピールし、資本市場、短期金融市場、債券市場、株式市場を健全で持続可能な方向に発展させることを希望した。
ボーイング(Boeing)やアップル(Apple)、テスラ(Tesla)などに電子機器を供給しているアンフェノールはセミナーで、ベトナムに生産拠点を設置する計画があると述べ、ベトナム側に対し製造業への投資誘致政策について情報提供を要請した。
また、チン首相は同日午前、ニューヨークを拠点とする国際的投資会社であるコールバーグ・クラビス・ロバーツ(Kohlberg Kravis Roberts=KKR)CEOのジョセフ・ベイ(Joseph Bae)氏、決済ブランドを運営する企業であるビザ(Visa)会長 兼 CEOのアルフレッド・フランシス・ケリー・ジュニア(Alfred Francis Kelly Jr.)氏などと会談し、さらに翌17日にはサンフランシスコでインテル(Intel)、アップル、グーグル(Google)を視察して責任者と会談し、ベトナムとの経済協力の促進に努めた。
首相はさらに同日、サンフランシスコで開かれた越米間の貿易・投資・観光振興会議「ベトナムの再発見(Rediscovering Viet Nam)」に出席し、新型コロナ後のベトナム観光市場の開放やその協力可能性について演説し、観光促進を行った。
その後、チン首相を乗せた航空機は17日午後11時30分ごろに米国を出発し、首相は6日間にわたる同国訪問を無事に終えた。