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12日と13日の両日に米国ワシントンD.C.で開かれる米国・ASEAN特別首脳会議に出席するため同国を訪問しているファム・ミン・チン首相は11日午後(現地時間)、シンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)で演説を行い、1995年の越米国交正常化から30年近くが経ち、両国関係が急速に発展しているとの見解を示した。
首相はこの席で、ベトナムが独立・自主・平和・協力・発展に向けた外交政策を堅持し、外交関係の多様化と多国間化、国際統合を推進し、国際社会で信頼性の高いパートナーとしての役割を果たしていくとした。
ベトナムとしては、交渉、対話、平和、協力を主張し、競争は健全で平等でなければならず、互いの正当な権利と利益を尊重する方針を改めて主張。また、国際法、国連憲章、平等、各国にとってともに有益となる原則に基づき、どちらか一方の見方をするのではなく正義と公正を選択すると強調した。
首相は、ベトナムが2025年までに近代産業を持つ低中所得超えの発展途上国に、2030年までに近代産業を持つ高中所得の発展途上国に、2045年までに高所得の先進国になることを目標に掲げていると述べ、米国をはじめとするパートナー国がベトナムの目標達成を支援し、協力を強化していくことを望んでいると述べた。
「国家開発目標を達成するために、ベトナムはそれを単独で行うことはできず、遠くまで行くには『友人』が必要だ」と述べ、米国との協力関係のさらなる強化を望んだ。
また、南シナ海を含む地域と世界の紛争を解決するにあたり、平和と安定を維持し、安全、航行と飛行の自由を確保することを提唱し、国際法、特に海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に従い、対話を通じて平和的な手段によって合法的な権利と利益を保護し紛争を解決することの必要性を主張した。
米国はベトナム最大の輸出先国であり、ベトナムは米国にとって9番目に大きい貿易相手国。2021年における両国間の貿易額は1116億USD(約14兆5000億円)に達した。2022年3月時点における米国のベトナムへの直接投資額は103億USD(約1兆3400億円)で、ベトナムに直接投資を行っている141か国・地域の中で11位につけている。
また、首相は同日、パトリック・リーヒ上院仮議長をはじめとする複数の主要な上院議員と会談し、ブオン・ディン・フエ国会議長の伝言として、ベトナムに友好的な議員のグループの発足を促進し、ベトナム国会と米国上院との間の交流と対話を強化するよう要請した。
さらに、ジーナ・レモンド商務長官、ジャネット・イエレン財務長官とそれぞれ会談し、関連分野の両国間協力の促進を確認した。
レモンド財務長官は、ベトナム政府のビジョンと経済開発計画、特にデジタル経済、グリーン経済への転換、サプライチェーンの多様化を評価し、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)におけるベトナムのコミットメントの実施において米国がベトナムと協力を強化していきたい意を示した。会談の末にチン首相とレモンド商務長官の立会いのもと、両国間の投資契約や事業提携契約など合わせて10件が交わされた。
一方、イエレン財務長官は、インフレを抑制しマクロ経済を安定化させるために為替政策を柔軟に運用するというベトナムの方針を理解するとし、インフラ整備、感染症への対応、クリーンエネルギーへの転換、気候変動対応などでベトナムを支援していくことを約束した。