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ダオ・ホン・ラン保健相代行は27日、ホーチミン市パスツール研究所の副所長であるホアン・クオック・クオン氏(男性・40歳)を南部メコンデルタ地方カントー市人民委員会に異動させることを決定した。
クオン氏はその後、カントー市人民委員会により同市保健局長に任命される予定。カントー市人民委員会は同氏の任命に向けた準備を進めている。
クオン氏は英語とフランス語が堪能で、2006年にホーチミン市医薬大学を卒業後、2009年にフランスのボルドー第2大学の修士課程を、2016年に英国オープン大学・オックスフォード大学臨床研究ユニットの博士課程を修了した。2019年にホーチミン市パスツール研究所の副所長に就任し、現在に至る。
クオン氏は、元保健相のグエン・ティ・キム・ティエン女史の長男として知られている。ティエン女史は、ベトナム共産党の最高指導機関である政治局の2021年11月付けの決定により警告処分を科され、当時就いていた中央幹部ヘルスケア委員長の職も罷免された。
現在、ティエン女史はベトナム・フランス友好協力協会の会長を務めている。ティエン女史は同じく27日、在ベトナム・フランス大使館でフランスの最高位勲章「レジオンドヌール勲章」のオフィシエ章(4等)を受章した。ティエン女史は2009年にもシュヴァリエ章(5等)を受章している。
なお、ティエン女史は1959年生まれの63歳で、グエン・スアン・フック政権で唯一の女性大臣だった。北中部地方ハティン省出身で、ベトナム共産党3代目書記長ハー・フイ・タップ氏の孫娘として知られている。医学博士・准教授の才女で、ハノイ医科大学講師、ホーチミン市パスツール研究所免疫室研究員、ホーチミン市パスツール研究所所長、保健次官、保健相を歴任したが、2019年11月、国会に保健相の職を解任された。
この背景には、ティエン女史が在任中に、地場系医薬品ディーラーのVNファーマ(VN Pharma)が書類を偽造してがん特効薬の偽造品を輸入し国内の多くの病院に売りさばいた事件のほか、国内最高レベルの病院として知られる保健省傘下のバックマイ病院(ハノイ市)における医療機器の調達価格の水増し事件など複数の汚職事件が発生したことがある。VNファーマのがん特効薬偽造品輸入事件では、義弟に当たるティエン女史の夫の弟が同社の役員を務めていたことが判明し、大きな波紋を呼んだ。