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阮朝タインタイ帝の孫、57歳で死去 貧困暮らしの末

2021/01/13 03:26 JST配信
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 阮(グエン)朝(1802~1945年)第10代皇帝タインタイ(Thanh Thai=成泰)帝(在位1889~1907年)の孫にあたるグエン・フオック・バオ・タイ(Nguyen Phuoc Bao Tai)さんが、2020年12月末に死去していたことがわかった。57歳だった。

 12月28日、タイさんの故郷である南部メコンデルタ地方カントー市フォンディエン郡ニョンギア村(xa Nhon Nghia, huyen Phong Dien)の自宅で葬儀が行われた。

 妻のグエン・ティ・ビック・トゥイさん(49歳)によると、タイさんは長年にわたり糖尿病を患い、関節痛にも苦しんでいたという。亡くなる前の約3か月間は日に日に体調が悪化し、ホーチミン市のビンタン区病院に通いながら薬を服用していた。

 トゥイさんは、「夫は亡くなる2週間前に通院先のビンタン区病院で意識を失い、その後ファムゴックタック病院に移送されました。医師の診断によると、肺膿瘍、糖尿病、高血圧、腎不全とのことでした」と言葉を詰まらせた。タイさんは入院してから一言も発することなく亡くなったが、最期の瞬間にはトゥイさんの手をしっかりと握ったという。

 タイさんの父親のビン・ジウ(Vinh Giu)皇子はタインタイ帝の7番目の子供で、阮朝第11代皇帝ズイタン(Duy Tan=維新)帝(在位1907~1916年)の弟にあたる。

 タインタイ帝一家がインド洋のレユニオン島での流刑から31年ぶりにベトナムへ帰国した後、ビン・ジウ皇子はフランス人によりカントー市へ連れて行かれ、橋や道路の土木工事に従事させられた。タイさんはビン・ジウ皇子の7人の子供のうち末子にあたり、幼少期から貧困の中で育った。

 タイさんとトゥイさんの間に生まれた娘は脳性まひを患っている。タイさんはバイクタクシーの運転手などをしながら家計を支え、娘の治療のためにホーチミン市に出てからは、夫婦で建設労働者として働いた。その後、タイさんは体調の悪化により再びバイクタクシーの運転手を始めたが、仕事を続けることができなくなり、自宅で娘の面倒を見ていた。

 「夫の生前の夢は娘の世話をすることでした。夫が亡くなった今、私たち親子はどうやって生きていけばよいのかわかりません。私はバイクも運転できませんし、子供を学校に連れて行くこともできません。私には泣きじゃくる娘を抱きしめることしかできません」とトゥイさんは語った。

[Vietnamnet 13:29 28/12/2020, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
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