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森に帰ったゾウ~ベトナム最後のゾウたち~【後編】

2019/05/12 05:30 JST配信
(C) Miwa ARAI
(C) Miwa ARAI 写真の拡大

<付属情報>
ダクラク省のゾウ保護の取り組み

●ダクラク・ゾウ保護センター
(Daklak Elephant Conservation Center in Vietnam)


地域の野生象と住民の問題解決、生態調査や使役象の獣医ケア等を行う。
現在敷地内にジュン(Jun、7歳)とゴールド(Gold、3歳)の2頭の小象を保護している。


ジュン:森の中でかかった罠を地面から引き抜き、足に罠を付けたまま使役象の後を付いて来て保護された。罠の刃が足に食いこみ、それを外そうと使った鼻先も裂けていた。当時推定3歳。左足先の切断手術と鼻の裂傷治療がされたが、そのハンディキャップは大きく野生に帰ることは難しい。

ゴールド:井戸用穴に落下し瀕死の状態だったところを保護。3か月の乳児だったので、保護センターの飼育担当フー(Phu)さんがミルクで育児をした。野生に戻す試みが4度行われたが、どの群れにも受け入れられなかった。

ジュンとフーさん。
「ゴールドには、毎朝ミルクをくれと鳴いて起こされ大変でした(笑)。ジュンは保護当初は人を寄せ付けず、触ることもできませんでしたが、今では言葉だけで麻酔なしに傷のケアもさせてくれます。2頭ともとても可愛いです。ゾウは地域住民の生活の糧なので、簡単ではないでしょうが、ゾウを使わずに共に暮らせる日が来ることを願っています」。


(施設は一般非公開)
https://www.facebook.com/Daklak-Elephant-Conservation-Center-in-Vietnam-DECC-930805180314342/ECC
http://www.ttbtvoidaklak.org.vn/en


●ヨックドン国立公園 / エレファント・エクスペリアンス
(Yok Don National Park / Elephant Experience)


4頭のゾウは広い国立公園内を自由に移動するが、まだ野生へ戻るリハビリ中の彼らの行動範囲は限られているので、ツアーではガイドがほぼ確実に居場所に案内してくれる。“エレファント・エクスペリアンス”は、地域の観光収入源を“象乗り”から“象見学”に移行させる、ベトナム初の試み(2023年までの5年間期限)。より多くの使役象を保護し、健康な森のゾウが増えれば繁殖の可能性もある。動物に優しい観光施設の新たなビジネスモデルとして、ベトナム各地、東南アジア各地にも広がる可能性もある。絶滅阻止、使役象の飼育状況改善、観光客の意識改革、多くの意味があるが、ツアーの知名度は未だ低い。

<ガイドツアー料金>
半日コース(2~2.5時間):80万VND(約3900円)/人
一日コース(8時間):140万VND(約6800円)/人

<交通手段>
ダクラク省バンメトート(Buon Ma Thuot)市中心部から車で約1時間
タクシー:約50万VND(約2440円)/台
公営バス:2万2000VND(約110円)/人(6~17時の間に30分間隔で運行、所要約1時間半)
※バンメトート市までは飛行機でハノイ市から1時間45分、ホーチミン市から1時間、毎日直行便運航あり。

ヨックドン国立公園
問い合わせ(英語)
Email:yokdon.ecotourism@gmail.com / yokdonnationalpark@gmail.com
電話:+84 905 22 94 36 / +84 942 52 54 26
https://yokdonnationalpark.vn/tour/elephant-experience-half-day-tour


ベトナムのゾウ保護活動についての問い合わせ、支援:
アニマルズアジア・ベトナム
Email:vietnamqueries@animalsasia.org (英語)
https://www.animalsasia.org/uk/media/news/news-archive/animals-asia-re-affirms-commitment-to-saving-vietnams-endangered-wild-elephants-now-the-government-must-do-the-same.html

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