ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

第2回「ベトナム日本国際ユースカップ U-13」開催記念、トルシエ監督&井尻監督によるスペシャル対談

2019/12/14 05:00 JST配信
(C) Miwa ARAI
(C) Miwa ARAI 写真の拡大
この記事に関連するおすすめの記事

川崎フロンターレ「第3回ベトナム日本国際ユースカップU-13」に向けた選抜チームのセレクション概要を発表

元日本代表監督トルシエ氏(現U-19ベトナム代表監督)、日本サッカー殿堂入り

第2回「ベトナム日本国際ユースカップU-13」大会1日目レポート、初日から白熱した試合が続く

第2回「ベトナム日本国際ユースカップU-13」がビンズオンで12月20日開幕

<明日は明日の試合がある>フィリップ・トルシエ(元サッカー日本代表監督) ベトナムで育成世代にサッカー全力指導中【後編】

<明日は明日の試合がある>フィリップ・トルシエ(元サッカー日本代表監督) ベトナムで育成世代にサッカー全力指導中【中編】

<明日は明日の試合がある>フィリップ・トルシエ(元サッカー日本代表監督) ベトナムで育成世代にサッカー全力指導中【前編】

サッカー女子ベトナムのアンダー世代代表に日本人監督が就任

『U-19ベトナム代表』

トルシエ:ベトナムが現在、国を挙げて目指しているのが2026年のワールドカップと2024年のオリンピック出場。ここで主力を務める2001年から2003年生まれの選手たち。それが現U-19代表であり、6年後を見据えた長期的かつ綿密な計画が進行しています。代表選手を送り出すのは各クラブなので、代表チームの強化には各クラブが組織としてレベルアップしていくことも重要。

 PVFはベトナムサッカー連盟のパートナーとして、この目標を達成するために様々なエレメントを組み合わせながら、相乗効果を生み出していく役割を担います。もしU-19代表が今回のアジア選手権本大会に進めなかったとしても、そこで計画が破綻してしまうわけではありません。なぜならこの世代の最終的な目標は2026年のワールドカップ出場であるからです。これから壁にぶつかることもあるでしょう。やり方の変更を余儀なくされる時も訪れるかもしれません。しかし私たちの最終目標が変わることはありません。

井尻:U-19女子代表の直近の目標は、10月末から11月初めにかけてのアジア選手権で結果を残してU-20ワールドカップに出場すること。(※結果はグループステージ敗退)その後、2023年には女子ワールドカップがあります。この大会から出場国数が26か国から32か国に拡大します。ベトナムのFIFAランキングは現在34位なので、現実的に手が届くところまで来ています。現U-19代表の選手たちが4年後には、22歳、23歳になるので、選手として一番活躍できる年齢になっています。ベトナムの選手たちは、どうしても目先のことに囚われがちで、長期スパンでの目標を立てられない子が多いのですが、4年後を見据えて努力しようと意識付けしている段階です。ベトナムの女子選手はサッカーを始めるスタートラインが14歳、15歳と遅めなので、基礎技術の部分も磨いていかないといけません。

『Road to World Cup』

トルシエ:ベトナムサッカーは今、大きな成長のうねりの中にあり、現ベトナム代表チームは東南アジアトップと言っても過言ではないでしょう。理論上はアジアトップ10を狙えるだけの力があるかもしれません。次のステップとしてアジアトップ5の仲間入りができれば、それはつまりワールドカップ行きを意味します。ただ、現実はそう簡単にいかないでしょう。現在開催中のワールドカップ・アジア2次予選で勝ち残り、上位12チームに入って最終予選に進むことが現実的な目標になります。これもベトナムにとっては大きな進歩であり、大きな成功であると考えます。このプロセスに基づいて、出場国数が48か国に拡大される2026年のワールドカップ出場を目指していくべき。成長というのは、急ぎすぎずに。ステップバイステップです。

井尻:女子もベトナムは現在、AFF女子選手権とSEA Games(※東南アジアの五輪と呼ばれる国際大会)のディフェンディングチャンピオンという立場にあり、東南アジアではベトナムがナンバーワンと言えます。しかし、女子ではアジア全体を見ると、日本、韓国、中国、オーストラリア、北朝鮮という強豪がいて、ベトナムはこれらの国々とかなり実力的に開きがあるのが現状です。ベトナムでは今のところA代表の強化が最優先になっていて、若手育成の部分までは手が回っていない状況なので、これから優秀な選手を輩出していくためには、かなり長期的なことになりますが、5年後、10年後を見据えて、しっかりとじっくりと育成のピラミッドを形成する必要があると思います。やはり、ステップバイステップですね。


プロフィール
フィリップ・トルシエ

1955年生まれ。「白い魔術師」の異名で知られるフランス・パリ出身のサッカー指導者。現役時代は国内下部リーグでセンターバックとしてプレー。28歳で指導者に転身。フランス国内のクラブやアカデミーで指導した後、活躍の場をアフリカに移し、コートジボワール代表やナイジェリア代表の監督を務める。1998年から2002年までは日本代表監督を務め、小野伸二や本山雅志らを擁し“黄金世代”と呼ばれたU-20日本代表を率いて1999年のワールドユースで準優勝、中田英寿らが合流した2000年のシドニー五輪では日本を32年ぶりの決勝トーナメント進出に導き、2002年の日韓W杯では日本を史上初のベスト16に導いた。2018年にベトナムPVFアカデミーのテクニカルダイレクターに就任。2019年9月にU-19ベトナム代表監督に就任した。

井尻明(いじり あきら)
1970年生まれ。千葉県出身のサッカー指導者。高校サッカーの名門である市立船橋でセンターバックとして活躍し、高校総体で優勝、高校サッカー選手権で準優勝を経験。駒澤大学に進学した後、京都パープルサンガ、FC京都BAMB1993(現おこしやす京都AC)でプレー。現役引退後は指導者に転身し、JFAのS級ライセンスを取得。京都紫光サッカークラブジュニア/女子監督、FC京都BAMB1993コーチ、京都府トレセンコーチ、JFA アカデミー福島 U13/U18B監督、ナショナルトレセンコーチ、U-17日本代表コーチ、中国・広州富力足球倶楽部U15監督、AC長野パルセイロアカデミーダイレクターなどを歴任。2019年にJFAの指導者派遣によりベトナム女子代表のテクニカルダイレクターとU-19/U-16女子代表の監督に就任。

記事提供:ベトナムフットボールダイジェスト+

前へ   1   2   3   4   5   次へ
[2019年12月14日 ベトナムフットボールダイジェスト].  © Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
上川外相、ソン外相と会談 引き続き二国間関係を強化 (12:57)

 フランス・パリで開催されたOECD閣僚理事会(MCM)に出席した上川陽子外務大臣は、現地時間3日午後2時25分(日本時間3日午後9時25分)から約20分間、ブイ・タイン・ソン外相と会談を行った。  上川外相は冒頭、...

5連休中の観光客数は800万人、タインホア省が観光収入で首位 (6:03)

 ベトナム国家観光局のデータ(速報)によると、4月30日の南部解放記念日と5月1日のメーデーに伴う4月27日から5月1日までの5連休中における観光客数は前年同期比+14.2%増の約800万人となった。  連休中の平均...

1~3月期のマンションと低層住宅の取引件数、前期比+30%増 (5:16)

 建設省が発表した2024年1~3月期の不動産市場報告書によると、同期におけるマンション、低層住宅、分譲地の取引件数はいずれも前期に比べ増加した。  マンションと低層住宅の取引件数は前期比+30%増の約3...

寝床は道端の椅子、幅1.5mの超狭小住宅に暮らす女性 (5日)

 ホーチミン市3区のグエントゥオンヒエン(Nguyen Thuong Hien)通りに面した一角に、幅わずか1.5mという住宅がある。  チュオン・ティ・クックさん(女性・1950年生まれ)はこの住宅に暮らして長いが、あまりに...

アストラゼネカが血栓リスク認める、ベトナム当局は国民に安心呼.. (5:10)

 英国の製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)が、同社製の新型コロナウイルスワクチンに血栓症の副反応を引き起こすリスクがあることを初めて認めたことについて、ベトナム保健省は3日、「ワクチンの有効期間は1...

独ホテル「ケンピンスキー」、サイゴン川沿いで開業へ (4:58)

 欧州で最も古いホテル運営会社であり、高級リゾートを世界展開するドイツのケンピンスキー(Kempinski)が、ベトナムに進出する。  現在は中東とアジアの2つの王室がオーナーである、1897年にドイツで創業し...

地場フェニカー、IC設計トレーニングセンターを設立 (3:46)

 地場コングロマリット(複合企業)フェニカーグループ(Phenikaa Group)は、半導体・集積回路(IC)設計トレーニングセンターの設立を発表した。  同センターでは、半導体・IC設計に関する研究・トレーニング、...

ハティン省:75歳女性を強姦した41歳の前科持ち男を逮捕 (3:05)

 北中部地方ハティン省ドゥクトー郡(huyen Duc Tho)警察は3日、75歳の女性を強姦した容疑で41歳の男を逮捕し捜査を進めていると明らかにした。犯行の様子は監視カメラに記録されていた。  逮捕されたのは、...

韓国人のキム・サンシク氏、サッカーベトナム代表監督に就任 (2:29)

 ベトナムサッカー連盟(VFF)は5月3日、韓国人のキム・サンシク氏(47歳)との間でベトナム代表監督就任に関する合意に至った。U-23ベトナム代表監督も兼任となる。契約期間は2024年5月1日~2026年3月31日の2年間。...

ハノイ:ホアンキエム区の屋根付き歩道橋、色鮮やかに装飾 (4日)

 ハノイ市ホアンキエム区のチャンニャットズアット(Tran Nhat Duat)通りにある屋根付き歩道橋が、色鮮やかな絵画やリサイクル素材のインスタレーションで装飾され、近隣住民を喜ばせている。  この歩道橋は...

ベトナム映画「Lat Mat 7」、公開1週間で興収2000億VND突破 (4日)

 4月26日に公開された、ベトナムの歌手・俳優・映画監督のリー・ハイ(Ly Hai)が監督を務めるベトナム映画「Lat Mat 7: Mot Dieu Uoc」が、5月2日までに興行収入2000億VND(約12億円)を突破した。この数字には、先...

ホーチミン~ダナン間でハイクラス列車の運行を開始 (4日)

 ベトナム鉄道総公社(Vietnam Railways=VNR)は4月27日、ホーチミン市と南中部沿岸地方ダナン市の区間を運行するハイクラス列車「SE21号」「SE22号」の出発式を開いた。車両内の設備、内装、外装を一新し、高品...

トゥアンアンGでの贈収賄事件、バクザン省党委書記を逮捕 (3日)

 ベトナム全国で多くの道路・橋梁プロジェクトを落札している建設会社トゥアンアングループ(Thuan An Group)における違反事件で、東北部地方バクザン省共産党委員会のズオン・バン・タイ書記(男・54歳)が新たに...

べトジェットエア、24年の旅客輸送量2740万人目標 (3日)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は4月26日開催の株主総会で、2024年度の事業計画を承認した。  2024年の航空輸送による売上高は前年比

地場スタートアップの調達資金、23年は前年比▲17%減 (3日)

 このほど発表された「ベトナムイノベーション&テクノロジー投資報告書2024(Vietnam Innnovation & Tech Investment Report 2024)」によると、ベトナムのスタートアップ企業が2023年に調達した資金総額は前年比...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2024 All Rights Reserved