ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

分離手術から17年、大学生になった結合双生児の姉妹

2020/10/25 05:08 JST配信
(C) vietnamnet
(C) vietnamnet 写真の拡大
(C) vietnamnet
(C) vietnamnet 写真の拡大

 妹と離れてから、クックさんはようやく食べる練習を始めた。腸がつながっていた時は、アンさんが食べればクックさんも満腹になるため、クックさんは食べることにこだわりがなかったからだ。

 子供たちの面倒を見るため、ビンさんは仕事を辞め、毎日子供たちのリハビリテーションに付き添った。小学1年生になるまでに、姉妹は母親が指示する軽い運動を自分たちで練習できるようになった。また、ビンさんは2人の脊柱側弯症を防ぐため、寝るときの姿勢まで細部に注意を払わなければならなかった。ビンさんは夜中に何度も目を覚まして、寝ている2人の姿勢を正した。

 それから数年の間に姉妹は正常に発達し、クラスメイトと一緒に運動ができるまでになった。

 ビンさんは、2人の娘のことをとても誇りに思っている。姉妹が中学1年生(日本の小学6年生)に上がる年に、ビンさんはステージ4の腎不全と診断され、ハノイ市のバックマイ病院で定期的な透析を受けることになった。

 しかし、それからというもの、姉妹は母親に代わって洗濯、料理、掃除、学校に行く準備など、全て自分たちでこなすようになった。さらに、2人は学業の成績も優秀で、アンさんは省から贈られる文学賞を受賞したこともある。

 そして今、クックさんとアンさんは18歳になった。クックさんは情が深いが、感情を表には出さず、言葉数も少ない。対照的に、アンさんはアクティブで活発、グループ活動に参加するのが好きだ。正反対に見える2人だが、2人はいつも目に見えない1本の糸でつながっている。

 「私たちは性格こそ違いますが、共通の趣味がたくさんあります。相手の目を見るだけで、お互いに言いたいことがわかることもあります。一緒にいない時も、30分から1時間ごとにお互いのことを無意識に思っているほどです」とアンさんは語る。

 2人は、身体がつながっていた時の話をたくさん聞き、写真もたくさん見てきた。身体がつながっていた時のことこそが、2人が日々努力を続けるため、そして、今のような普通の生活が送れるように力を尽くしてくれた人々への感謝の気持ちを忘れないための原動力となっている。

前へ   1   2   3   次へ
[Vietnamnet 11:05 09/10/2020, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ホーチミン:都市鉄道人材の育成急ぐ、外国人専門家への依存軽減 (6:28)

 ホーチミン市人民委員会は、都市鉄道(メトロ)網の拡大に向け、2025〜2030年の人材育成計画を公表した。同市は2035年までに7路線、2045年までに10路線の運行を予定しており、運行と保守に必要な人材を計画...

ホーチミンに自由貿易区を設立、政府が提案 (5:54)

 政府はこのほど、ホーチミン市の開発にかかる特別制度の試行に関する国会決議第98号/2023/QH15の一部を改正・補足する決議案を国会に提出し、同市に自由貿易区(FTZ)を設立することを提案した。改正は、投資を呼...

サン・フーコック航空、26年3月に国際線運航開始 (5:28)

 観光不動産開発を手掛けるサングループ(Sun Group)傘下のサン・フーコック・エアウェイズ(Sun PhuQuoc Airways=SPA)は、ベトナム民間航空局(CAAV)から国際線対応の航空運送事業許可(Air Operator Certificate...

車いすでピックルボールに打ち込む人々 (7日)

 グエン・バン・フアンさん(男性・40歳)は毎週、東北部地方クアンニン省からハノイ市まで100km以上の道のりを三輪バイクで走り、ピックルボールに打ち込んでいる。フアンさんにとって、ピックルボールは障がいへ...

EV配車サインSM、ラオスで法人向け電気タクシーサービスを展開 (4:37)

 不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)製電気自動車(EV)・電動バイクのレンタカー・タクシー会社で、配車サービス「サインSM

行政区を点数方式で分類、社会経済政策策定の根拠に (3:38)

 行政区分類に関する政令第307号/2025/ND-CP(11月27日施行)では、行政区の分類基準を定めており、社会経済政策や地方行政の運営体制を整備するための基礎とした。  新政令が公布された背景には、今年7月の行...

テックフェスト2025、ハノイで12月12日から開催 (2:03)

 ハノイ市のホアンキエム湖歩行者天国で12月12日(金)から14日(日)まで、スタートアップとイノベーションに関する体験型イベント「テックフェスト・ベトナム2025(TechFest Vietnam 2025)」が開催される。  同...

聖母マリア教会がXmasライトアップ、LED装飾は昨年の2倍 (6日)

 ホーチミン市サイゴン街区(旧1区)中心部に位置するドゥックバー(聖母マリア)教会は、今年もクリスマスシーズンに合わせて装飾され、クリスマスの雰囲気を楽しむ大勢の家族連れや若者で賑わっている。  同教...

第21回ホイアン日本祭り2025、12月26日から開催 (6日)

 南中部地方ダナン市(旧クアンナム省)のホイアン文化遺産保存管理センターは4日、ホイアン旧市街で12月26日(金)から28日(日)にかけて、第21回ホイアン日本祭り2025が開催されると発表した。  同イベントはダ...

コンダオ国立公園、IUCNグリーンリストに認定 (6日)

 ホーチミン市コンダオ特区のコンダオ国立公園(Vuon Quoc gia Con Dao)はこのほど、国際自然保護連合(IUCN)が認定・授与する「グリーンリスト(Green List)」の認定証を受領した。  「グリーンリスト」は、コ...

ラムドン省:洪水で1750世帯が孤立、自治体が緊急対応を指示 (5日)

 南中部地方ラムドン省で豪雨に伴う洪水被害が発生している。旧ビントゥアン省のエリアを中心に大規模な洪水が発生し、約1750世帯が孤立する事態となり、同省人民委員会が4日に緊急対応を指示した。  省全体...

国会、緊急事態法を可決 宣言・解除の権限は国会常務委員会に (5日)

 国会は3日、緊急事態法を賛成多数で可決した。同法は6章36条から成り、2026年7月1日に施行される。  同法が規定する緊急事態とは、国民の生命や健康、国・機関・団体・個人の財産を著しく脅かす災害、また...

ハノイ:国会議事堂内で国会博物館が開館、国会関連の資料展示 (5日)

 ハノイ市バーディン街区ドックラップ通り1番地(1 Doc Lap, phuong Ba Dinh, TP. Ha Noi)の国会議事堂内で2日、ベトナム国会博物館の開館式が開催された。合わせて、国会開設80周年(1946~2026年)を記念する書籍...

FPTと韓国企業が合弁会社を設立、建設人材雇用のデジタル化で (5日)

 建設関連の外国人材と企業とのマッチングプラットフォーム「カダ(GADA)」を運営する韓国のワークスメイト(Worksmate)は2日、ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)グ

FPTとベトナム航空、独身社員向け「お見合い」イベント開催 (5日)

 ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)グループは、ベトナム航空[HVN](Vietnam A

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved