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見ず知らずの若者たちを支援する麺屋の主人、夢叶える一助に

2020/12/13 05:34 JST配信
(C) vnexpress
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 結果的にリックさんはフンさんの支援を受けて、2016年4月から日本語学校に通い、同年10月に日本へ渡り、専門学校でコンピュータを学び始めた。フンさんが支払った合計額は2億VND(約90万9000円)余りに上った。

 「1人の学生が留学したいという夢を叶えるため、テトも故郷に帰らず働き、お金を稼ごうとしている。そんな学生をサポートしない理由はないでしょう。彼が店で働いて稼いでも、いつになったら十分な資金が貯まるかわかりませんから」とフンさんは笑った。

 「私は助けるために人を探しに行くのではなく、縁があって出会った人や、店にアルバイトに来る人たちを支援してきただけです。私には家族がいないので、1日500杯の麺の売上は全て、私がやりたいことに使えるんです」とフンさん。

 夢を持ちながらも苦しい状況にある数十人の学生や若者たちを支援してきた一方で、フンさんは何度か良くない人に手を貸してしまったこともある。約3年前にフンさんは、北中部地方ゲアン省出身で、勤勉でよく働くように見えた、ある若者を受け入れた。

 しかし、一緒に暮らす中でその若者はフンさんのバイクでサッカー賭博に行き、お金を失ったことがあった。若者はその後も賭博で負けるたびにフンさんに助けを求めたが、9度目についにフンさんはその若者を助けることを拒否した。

 「毎回助けるたびに『これが最後だ』と言われ、それが本当に最後だったら、ここで自分が助けなければ彼はやり直すこともできないだろうと彼を信じて助けていました。でも9度目の時、彼は変わらないだろうと思い、拒否しました。他にもっと支援すべき人たちにお金を残しておきたかったんです」とフンさんは打ち明けた。

 それでもフンさんは、間違った人を支援したことを後悔したり、支払ったお金を惜しんだりしたことはなく、それもまた教訓として受け取っている。

 「失ったお金のことを考えたり、間違った人を支援してしまわないかとあれこれ思い悩んだりしていては、他の人を助けることができなくなってしまいます。天の神様が少しのお金を持って行ったとしても、代わりに私の店は繁盛し、私は収入を得て、またお金を貯めることができますから、惜しくも何ともありませんよ」とフンさんは語った。

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