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半世紀の時を超え、古びた水筒が導いた兵士の帰郷

2026/05/10 10:38 JST配信
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故郷への帰還と遺品の寄贈

 2026年初め、クアンチ省内務局は、ハイラン烈士墓地のG4区画にある第1955号墓の遺骨がトゥエンさんのものであると認定する決定を下した。同時に、関連機関に対して墓石の情報を彫り直し、烈士の家族へ通知書を送るよう指示した。

 知らせを受けたトゥエンさんの弟のチャン・ダイ・ズオンさん(67歳)は、半世紀以上を経てようやく兄が眠っている場所を知ることができ、胸がいっぱいになった。

 3月27日、全ての手続きが完了した後、ズオンさんの家族はトゥエンさんの遺骨を故郷へ持ち帰って埋葬するため、数百kmの道のりを経てジエンサイン村へと向かい、村人民委員会と第308師団の退役軍人たちと共に発掘の儀式を執り行った。

 ズオンさんは墓の傍らに座り、兄の遺影を見つめながら、兄の墓を見つけることは母親が亡くなる前に言い残した遺言だったと語った。そして、遺影に向かって「兄さん、帰ろう」と声をかけた。

 「私の家族は5人きょうだいで、トゥエン兄さんは長男です。兄が入隊した時はまだ20歳になったばかりで、兄は家庭を持つこともありませんでした。兄が見つかったという知らせを受けた日、家族も親戚も皆、言葉を詰まらせながらも喜びました。母は亡くなる前、兄の墓を何としてでも見つけるようにと私たちに言い残しました。何年も絶望の中で探し続けてきましたが、今、ようやく兄の墓が見つかりました。兄を故郷に迎えて供養し、先祖のもとへ帰してあげたいと思います」とズオンさんは感極まった様子で語った。

 烈士を故郷へ連れ帰るという願いが叶った後、家族はトゥエンさんとの再会のきっかけとなった遺品の水筒をクアンチ省博物館に寄贈することを決めた。そこには、かつての兵士の物語がこれからの世代へと語り継がれていくことへの願いが込められている。

 半世紀以上の時が流れ、かつての凄惨な戦場は今や平和の緑に覆われている。変形した1つの水筒と古い軍人手帳、そして多くの機関の努力により、絶望的と思われた捜索の旅は、神聖かつ意義深い再会をもって、ついに幕を閉じたのだった。

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