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2021年12月10日に行われた競売入札で地場系不動産開発大手タンホアンミン(Tan Hoang Minh)傘下のゴイサオベト(Ngoi Sao Viet)が高額で落札したホーチミン市直轄トゥードゥック市トゥーティエム新都市区内の不動産開発用地「3-12区画」について、タンホアンミンは11日、購入を取り消すと発表した。
面積1万0060m2の3-12区画は24兆5000億VND(約1250億円)で落札され、入札価格の8.3倍に達した。1m2当たりの落札価格は24億4000万VND(約1245万円)と試算され、中心業務地区(CBD)である1区ドンコイ(Dong Khoi)通りやグエンフエ(Nguyen Hue)通りの地価を大きく上回った。
タンホアンミンのドー・アイン・ズン会長は、グエン・フー・チョン書記長をはじめとする国の指導者宛ての書簡で、3-12区画の購入契約を一方的に終了したい意を示し、契約の一方的な終了に対するすべての制裁を受け入れると述べた。理由については「市場の安定性を維持することのほうが肝心だと認識した」と説明した。
今回の購入取り消しにより、ゴイサオベトが競売入札時に保証金(デポジット)として納付した5884億VND(約30億円)は国に没収されることになる。
同新都市区の不動産開発用地が極めて高額で落札されたことは市の予算歳入に大きく貢献する一方、不動産バブルにつながり、市場の安定性を狂わせ、多くの市民にとって「マイホーム」の購入がさらに遠い夢になることが懸念される。事実、3-12区画の落札結果を受け、トゥードゥック市の地価はうなぎ登りに上昇した。
トゥーティエム新都市区内の不動産開発用地が高額で落札されたことを受け、ファム・ミン・チン首相は2021年12月下旬、関連機関に対し、直近の土地競売入札に異常がないか検査するよう指導した。また、ベトナム国家銀行(中央銀行)に対し、競売入札目的の融資を行う商業銀行を厳格に監視するよう指導した。
中央銀行によると、1月11日時点でタンホアンミンに対し3-12区画の購入目的で融資を行っている銀行は確認されていないという。