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世界11か国で人材紹介事業を展開する株式会社ジェイエイシーリクルートメント(東京都千代田区)は26日、2020年7~9月におけるアジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動向を発表した。
7~9月は、アジア各国で新型コロナウイルスの影響が残ったものの、徐々に規制緩和や入国制限解除の動きなどが見え始め、全てのアジアの国々で求人数が回復した。ベトナムは対前年同期比、前期比共に求人数が増加した。日本の海外事業関連求人も前年並みまで回復した一方、シンガポールのビザ取得の厳格化、香港の大企業の大規模リストラ予定など、回復への懸念は残っている。
ベトナムは入国緩和の動きが進み、経済の復調も徐々に見られる。景気も回復基調となり、求人は前年同期比+16%増、前期比+32%増となった。
ベトナム法人ディレクターの桑田聡氏は、ベトナムにおける企業の採用動向について、経済回復に伴い主に外資系企業からの求人数が大幅に増加したことで、全体の求人数も増加した一方、求人が出る業界・業種と出ない業界・業種の差が大きくなっていると指摘する。
製造業・専門商社・IT・物流では求人が堅調だが、縫製業界、ホテル・旅行・飲食を中心とするサービス業の求人は鈍化が続いている。自動車および電子製品の需要回復に伴い、特に専門商社の電子部品関連の求人が増加した。
ベトナム人の求職者の動向については、例年ほど求人が多くないため、今が転職に絶好の時期だと考えている求職者が少ないことからやや慎重さが見える。また、年末が近付くにつれて例年はテト(旧正月)賞与を意識し、支給されるまでは転職の意欲が下がるが、今年は新型コロナウイルスの影響を受けている企業ではテト賞与の支給や年末年始の昇給が見込めないところもあるため、10~12月は転職活動をする求職者の動きが例年より多くなる可能性もある。
日本人の転職希望者については、引き続きベトナム現地在住者が増えている。一方、日本在住の日本人でベトナムでの就業を希望する人材は、ベトナムだけでなく海外転職を控える動きが目立つ。入国緩和の状況次第で、10~12月は動向が大きく変わることが予想される。