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世界保健機関(WHO)はこのほど、ベトナムが発がん性物質である石綿(アスベスト)を現在も毎年大量に消費していることを指摘し、対策を呼びかけている。
ベトナムでは、現在も大量のアスベストが使用されている。ベトナムのアスベスト消費量は年間5万tに上っており、このうち約8割が屋根材として使用されている。このほか断熱材や防火材、機械などの摩擦防止などにも使用される。
職業病により発症したがんで死亡したケースの約半数は、アスベストが原因と考えられている。ベトナム保健省のレポートによると、2001~2011年に同国で中皮腫を発症した患者の80%は、アスベストが原因だったと報告している。
アスベストは、耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などに優れており、安価であるため、非常に重宝され、建設資材や電気製品、家庭用品などで広く使用されてきた。しかし、長期間にわたって空中に飛散したアスベストを吸引することで、肺がんや中皮腫などを引き起こすことが分かり、世界的に使用規制が進んでいる。なお、日本では2012年から全面的に使用が禁止された。