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都会の自宅で過ごす念願のテトは「苦い味」

2024/02/25 10:30 JST配信
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そして今年、夫は旧暦1月2日まで職場の当番となったらしい。えっ、テトまで働くの?とは思ったけれど、よし!誰にも邪魔されない、イメージどおりのテトを過ごすチャンスがやってきた!

 だが喜びは長くは続かなかった。私のテト攻勢は、困難を極めた。夫は職場、テトの支度に大掃除をするのは私だけ。そこに「ねえママ、遊びに行こう!」と小さい娘の叫び声。

 旧暦12月29日、夜の時間にスーパーへ。幼い頃は、あんなにも楽しかったテトの買い物は、悪夢だった。

 果物売り場で並び、食品売り場で並び、レジで並び、ほうほうの体で出てくると、駐輪場でまた並び…。ようやく道路に出たのは23時頃。何だかやけに人が少ないな、と思ったところで、そうだ今日は旧暦12月29日、みんな帰省しているんだった、と思い出すのだった。

 ふいに、我が子を抱いて、バインチュンを茹でるお鍋の火で温まる、夫の実家でのんびりと過ごす旧暦12月29日の夜を思い出した。お義母さんが用意してくれたお布団から香るお日様の匂い、かごを持ってお義母さんと巡る市場。

 ドーンッ、ドーンッと新年を祝う花火が上がる。娘と2人で窓辺に寄る。うるさい、うるさい、と、娘は耳をふさいでとっととベッドに入ってしまった。私は大晦日のお供えをひとり片付け、戸締りをして、砂糖漬けをかじる。

 「今ごろは皆でお茶を飲んで、お菓子を食べて、よもやま話をしてるんだろうなぁ…」。いつかのテトを思い出した。

 長いため息ひとつ。元日よ、早く、早く過ぎ去れ。我が家で過ごす念願のテトは、どうしてこんなに寂しいの。

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