ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

配車アプリ運転手の労働組合長として活躍する「U70」女性

2025/04/20 10:11 JST配信
(C) tuoitre
(C) tuoitre 写真の拡大
(C) tuoitre
(C) tuoitre 写真の拡大

「今まで色々な仕事をしてきましたが、グラブの運転手の仕事が一番好きです。いつも忙しく街中を走り回り、路地の隅々まで知ることができ、毎日たくさんの運転手仲間と交流することができるので、外出しない日は何だか物足りない気持ちです。時々、配車の予約をしたお客さんのところへ迎えに行くと、お客さんが私を見て驚き、本当に私が運転手なのかと尋ねてくることがあります。私は『そうですよ。ナンバープレートも名前もアプリの通りです』と笑って答えるんです。乗車後にチップをくれる方や、電話番号を交換してくれる方もいますよ」とスオンさんは笑いながら語る。

 グラブの運転手のチン・ゴック・ズンさん(男性)は、女性のスオンさんよりも男性の自分のほうが頼りなく感じることが多いと話す。「スオンさんは年配でしかも女性ですが、本当に元気なんです!彼女は1日の終わりにしかアプリをオフにしないので、我々はとてもじゃないですが彼女に追いつけません。いつでもどこでも街中で見かけますし、誰かが助けを求めればすぐに駆けつけてくれるんです」とズンさんは語る。

 スオンさんはそのしっかりした性格と熱意から、運転手仲間たちにとってリーダー的存在となっている。病気やトラブル、支払い拒否や受け取り拒否などの問題が発生すると、運転手仲間たちはスオンさんを頼りにする。助けを求められれば、スオンさんは即座に解決策を講じ、周囲に協力を呼び掛ける。

 グラブの運転手たちによると、スオンさんを中心に、長年かけて苦しみを分かち合いながら、仲間としてのコミュニティが築かれたのだという。そして、投票などはなかったが、満場一致でスオンさんがグループリーダーに選出された。

 ダナン市ではオンラインショッピングの普及に伴い、配車アプリの運転手の数も急増し、2022年以降は配達中の事故やトラブルも続発している。

 ダナン市にはグラブを含めて数千人もの配車アプリの運転手がいる中、リスクの高まりを感じたスオンさんは、ダナン市労働連盟を訪ね、運送業の運転手に特化した労働組合の設立手続きについて指導してもらった。

 「私は国の機関で働いた経験があり、教育も十分に受け、様々な環境も経験してきたので、配車アプリの運転手に特化した労働組合があることは知っていました。ダナン市ではまだ新しいですが、大都市ではすでによく知られた存在です」とスオンさんは話す。

 2024年7月10日、ダナン市労働連盟の主催により、ダナングラブ配車アプリ運転手労働組合の発足式が開催された。委員長に選ばれたのは他でもないスオンさんだ。式典でスオンさんはグラブのユニフォームを着てステージに上がった。ステージの下では、200人近い運転手仲間がその姿を見守っていた。

前へ   1   2   3   次へ
[Tuoi Tre 05:45 05/03/2025, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
韓国のベトナム人滞在者34万人、就業・留学ともにトップ維持 (6:39)

 韓国法務省出入国・外国人政策本部はこのほど、「出入国・外国人政策統計月報」を発表した。  2025年9月末時点での韓国在留外国人は273万7832人で、前年同月比+1.8%増加した。90日以上滞在し、外国人登録...

ベトナム発のインディーゲーム「ハイさんのフォー店」が大ヒット (6:30)

 ベトナム発のインディーゲーム「Brother Hai’s Pho Restaurant(フォーアインハイ=Pho Anh Hai=「ハイさんのフォー店」の意)が、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でブームになっており、今月4日ま...

ホイアン:海岸の砂に埋もれた古い木造船、台風で露出し「再」発見 (5:20)

 台風13号(アジア名:カルマエギ、日本では台風25号)が通過した後の南中部地方ダナン市ホイアンタイ街区(旧クアンナム省ホイアン市)のタンタインビーチで8日、古い木造船の船体を囲む木枠が現れているのを地元住...

ホーチミンの市場とともに生きる:ニティエンドゥオン市場 (9日)

 ホーチミン市の伝統的な市場は、少しずつ過去のものになりつつある。市場では、年を取った商人たちが屋台のそばに座り、にぎやかで慌ただしい現代の中で、記憶の炎を静かに守り続けている。  タンディン市...

ベトテル、インド複合企業アダニの傘下企業と防衛技術で提携 (5:01)

 国防省傘下の携帯通信大手ベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)の子会社で、電子機器などの製造を手掛けるベトテル設備製造総公社(Viettel Manufacturing Corporation=VMC)は10日、インドの大手コ...

グラブ、北部5省で事業拡大 3省に進出・2省でエリア拡大 (4:33)

 シンガポール系グラブ(Grab)の現地法人グラブベトナム(Grab Vietnam)は、北部5省で事業を拡大した。  今回、新たに3省に進出したほか、2省ではサービスの提供エリアを拡大した。  新たに進出したのは、...

ニンビン省人民委主席がフンイエン省人民委主席に転任 (4:02)

 北部紅河デルタ地方ニンビン省人民委員会主席を務めていたファム・クアン・ゴック氏は11日、書記局の決定により、北部紅河デルタ地方フンイエン省共産党委員会副書記に就任した。また、12日にフンイエン省人民...

ユアテック、第7ソクチャン洋上風力発電所の第2期工事を受注 (3:03)

 総合設備エンジニアリング企業の株式会社ユアテック(宮城県仙台市)は、南部メコンデルタ地方カントー市(旧ソクチャン省)の第7ソクチャン洋上風力発電所の第2期工事を受注した。  同社は、サステナブル経営...

「ベトナムフェスティバル岡山2025」、11月23日開催 (2:00)

 岡山県岡山市の下石井公園で11月23日(日)の10時から18時まで、「ベトナムフェスティバル岡山2025」が開催される。入場無料。  同フェスティバルは、ベトナムの文化を紹介し、国際交流を深めることを目的と...

主要上場企業30社の7~9月決算、銀行と証券が牽引 利益の質改善 (12日)

 VN30インデックスを構成する主要上場企業30社の2025年7~9月財務諸表では、同期の売上高合計が前年同期を上回ったものの、前年10~12月のピークには届かなかった。一方、税引後利益合計は前期比でわずかに減少...

ホーチミン:ベンタイン~カンゾー間のメトロ、年内着工を提案 (12日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)のファム・ニャット・ブオン会長が設立したインフラ投資会社であるビンスピード(VinSpeed)は、ホーチミン市の市街地

ホーチミン:メトロ2号線、26年1月15日に着工 (12日)

 ホーチミン市人民委員会は、同市都市鉄道(メトロ)2号線(ベンタイン~タムルオン間)を2026年1月15日に着工することを決定した。  市当局によると、今年12月末までに、調整事業化調査(FS)報告書や環境影響評...

チャイルドシートの使用義務付け、26年1月1日から (12日)

 道路交通秩序安全法の規定によると、2026年1月1日から、10歳未満で身長1.35m未満の子どもは自動車に乗る際、チャイルドシートの使用が義務付けられる。  違反した場合は、最高100万VND(約5850円)の罰金が科...

ビン国際空港、5か月の改修経て12月19日から運用再開 (12日)

 北中部地方ゲアン省のビン国際空港が約5か月の改修工事を経て、12月19日から運用を再開する。年末の運用再開により、同省の航空需要および観光業の回復の追い風となる見通しだ。  同空港によると、滑走路、...

気候テックの地場アルテルノ、日本法人を設立 日本展開を本格化へ (12日)

 クライメートテック(気候テック)分野の地場スタートアップ企業のアルテルノ(Alterno)は10月31日、茨城県つくば市に製品の現地化・研究開発・パイロット生産を担う地域拠点となる日本法人「Alterno Japan合同会...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved