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ホーチミン市人民委員会はこのほど、9区と12区の正式名がまだ付けられていない31の通りの新しい名称を決定した。ベトナムでは通りに歴史上の偉人や国に貢献した人物の名を付けることが多いが、今回新たに付けられた名前の中に、2001年に亡くなったベトナムの国民的音楽家チン・コン・ソンの名が含まれている。
決定によると、9区にある8つの通りには、チン・コン・ソンのほか、数々の文学作品を残したグエン・ディン・ティ(1924–2003)、詩人スアン・クイン(1942-1988)、詩人で音楽家のジエップ・ミン・トゥエン、フイ・カン(1941-1997)、音楽家のファム・チョン・カウ(1935-1998)、「舞台の女王」と称された女優タイン・ガー(1942-1978)、カイルオン(ベトナム南部の古典芸能)歌手ウット・チャー・オン(1919-2001)と、いずれも20世紀後半に活躍した芸術家の名が冠される。
中でも、ベトナム戦争終結から40年を迎える2015年、チン・コン・ソンの名が通りに冠されることは大きな意味があるといえよう。ソンは国民から最も敬愛されている音楽家で、600以上の楽曲を残した。日本でも加藤登紀子や天童よしみなどがソンの代表作「雨に消えたあなた(美しい昔)」(越名:Diem Xua)を歌っている。
チン・コン・ソンは反戦歌を多数作曲しており、海外では「ベトナムのボブ・ディラン」と呼ばれていた。1972年に南ベトナム政府によりソンの楽曲は発行禁止処分に。1975年の南北統一後もソンの過去の作品は禁じられ、ソン本人も再教育キャンプに送られた。1986年以降、ドイモイ政策開始と共にようやくソンの楽曲も徐々に解禁され、現在まで歌い継がれている。
なお、12区の23の通りには、「ベトナム英雄の母」として知られるハー・ティ・キム、レー・ティ・ニョー、ハー・ティ・ケオなどの名が付けられた。
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