ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
RSS
Login
 ようこそ ゲスト様 
VietJo ID

騙されて中国に渡った女性、28年ぶりに母親とオンラインで涙の再会

2023/11/12 10:21 JST配信
(C) thanhnien
(C) thanhnien

 クックさんは、親族から「出稼ぎに行ったんだから、お金が貯まれば帰って来るでしょ。何を心配しているの?」とも言われた。他にも多くの人たちから、生活苦で子供を売ったのかと非難された。

 まさか自分の娘が、血のつながった親族に売られたなどとは考えられず、当時クックさんはあえて警察にも通報しなかった。しかし、長い月日の間にその叔母の消息も不明になってしまった。

 クックさんは、娘が帰ってこないのは、困難な状況にあるからか、もしくは何か後ろめたいことがあるからか、と考えていた。そして、「来月には帰って来る、来年には帰って来る…」と漠然と信じて、寺院の清掃で稼いだお金を全て占いにつぎ込んだ。

 末娘のフオンさんの出生証明書を作成した日、クックさんは長女のフオン(平らな声調)・マイさんを思い、末娘の名前をフオン(重い声調)・マイに変えた。末娘も、今では結婚して3人の幼い子供がいる。

 マイさんの弟、レ・ダン・シー・フオンさん(40歳)は、かつてマイさんにとてもよくかわいがられていたと語る。背が高くがっしりとした見た目の弟のフオンさんは、マイさんとオンライン上で顔を合わせた時、「やっと再会できたんだから、元気出して、お姉ちゃん」と口にしながらも、涙を抑えることができなかった。

 当時、寺院で生活する弟が十分な食事を取れていないのではないかと心配したマイさんは、毎日夕方になると自宅で炊いた茶碗1杯のごはんを寺院に持って行き、弟に食べさせていた。その後、成長した弟のフオンさんは、母親に何も告げずに家を出て、家族を捨てた親不孝者だと姉に腹を立てていた時期もあった。マイさんが売られたなどと、誰も想像することができなかったのだ。

 時が経ち、マイさんは中国で夫と暮らす生活にも慣れていった。中国語も上達し、自宅の近くの工場で働き始めた。2人の娘も就職し、母親の言うこともよく聞く。60歳近いマイさんの夫も、毎日市場で野菜を売りながら、妻子を大切にしている。マイさんの家族の生活は平穏だと言えるが、ただ1つ、故郷を恋しく思う気持ちだけが、常にマイさんの心に渦巻いていた。

 ようやく家族を見つけることができた今、マイさんは幸運だと感じている。オンライン上で再会した時は、過去を思い出して泣くことしかできなかったが、「今後もしもベトナムに帰ることができたら、例の叔母を見つけ出して話をはっきりさせるから」と母親に伝えることを忘れなかった。

 マイさんは憤慨しながらも、「幸い、今の私の生活は順調よ。夫も、私と2人の娘がベトナムを訪ねてもいいと言ってくれているの」と母親を安心させた。しかしながら、マイさんの現在の問題は、身分証明書を持っていないことだ。

 マイさんの思い出の品や写真はもうクックさんの手元にも残っておらず、ぼろぼろの出生証明書だけがクックさんの宝物だ。クックさんは、娘が身分証明書を作ることができるよう祈りつつ、ベトナム側での書類を用意すべく奔走している。

 一方のマイさんは、家族をこの手で抱きしめることを夢見ながら、故郷に帰るための資金を貯めるため、一生懸命に働いている。

前へ   1   2   3   次へ
[Thanh Nien 12:02 14/09/2023, A].  © Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースと自社過去記事を参考に記事を編集・制作しています   利用規約   免責事項
新着ニュース一覧
旧暦3月10日の「フン王の命日」に読みたい記事8選 (25日)

 2026年は新暦4月26日(日)が旧暦3月10日のフン王の命日にあたります。  フン王の命日に際して、ベトジョー(VIETJO)からフン王に関する記事を8本ご紹介します。

ハロン湾:伝統的な木造帆船体験ツアー開始、新たな観光商品に (25日)

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界自然遺産である東北部地方クアンニン省のハロン湾で4月25日より、同省の海洋文化の特色を色濃く残す新たな観光体験として、沿岸を航行する3枚帆の伝統的な木造帆船体験ツ...

公安・軍士官らの公的弁護士制度を試験導入、国会決議 (24日)

 国会は24日、幹部や公務員、人民軍および人民公安の士官などが公的弁護士として活動する制度を試験的に導入する決議を可決した。実施期間は2026年10月1日から2028年9月30日までの2年間で、8つの省庁と10省・市...

ごみ拾いの少年がベトナム初のドローン開発者に、米国警察も採用 (19日)

 ドローン製造会社のリアルタイム・ロボティクス(Realtime Robotics)の創設者であるルオン・ベト・クオックさん(男性)は、ホーチミン市のニエウロック・ティゲー運河沿いで、貧しく苦労の多い幼少期を過ごした。...

総額約50兆円の中期公共投資計画を承認、国会決議 (24日)

 国会は24日、2026~2030年の国家財政・公的債務返済計画および中期公共投資計画に関する決議案を賛成多数で採択した。同期の中期公共投資総額は8220兆VND(約49兆8000億円)で、南北高速鉄道などの重要な交通イン...

今後5年の年平均GDP成長目標+10%以上、国会決議 (24日)

 国会で24日、出席議員の全会一致で2026~2030年の経済社会発展計画に関する決議が採択された。同決議は国の持続可能な発展を目標とし、年平均の国内総生産(GDP)成長率を+10%以上とする目標を掲げている。 ...

個人事業主の課税閾値、政府が柔軟設定へ EV優遇延長も 国会決議 (24日)

 国会は24日、個人所得税(PIT)法、付加価値税(VAT)法、法人所得税(CIT)法、特別消費税(SCT)法の一部を改正・補足する法律を可決した。同法は即日施行された。  これにより、個人事業主のPITおよびVATの課税...

11月24日を「ベトナム文化の日」の祝日に、国会が決議採択 (24日)

 国会は24日午前、ベトナムの文化発展に関する決議を賛成多数で採択した。同決議により、毎年11月24日を「ベトナム文化の日」とし、有給の祝日とすることが決定された。決議は7月1日に発効する。 文化予算と...

ドンナイ省を「ドンナイ市」に格上げ、4月30日発効 国会決議 (24日)

 国会は24日午前、東南部地方ドンナイ省を中央直轄市の「ドンナイ市」に格上げする決議を採択した。投票した国会議員487人中478人の賛成多数で可決された。同決議は4月30日に発効する。 移行措置と特例の継続...

ハノイ:4~5月の連休7日間、路線バスとメトロの運賃無料に (24日)

 ハノイ市人民委員会は、4月26日(旧暦3月10日)のフン王の命日および4月30日の南部解放記念日と5月1日のメーデーの連休中の計7日間、市内を運行する補助金対象の路線バスと都市鉄道(メトロ)の運賃を無料にすると...

国会、戸籍法・公証法・首都法の改正案を可決 (24日)

 国会は23日、◇戸籍法、◇公証法、◇首都法の各改正案を可決した。 戸籍法改正、行政区画に縛られない手続きへ  可決された改正戸籍法は2027年3月1日に施行される。新法では、国民は自身の居住地などの行政...

ハノイ:ホアンキエムで低排出ゾーン試行、28年に環状1号線全域へ (24日)

 ハノイ市は2026年7月1日からホアンキエム街区の一部で低排出ゾーン(LEZ)の試験導入を開始し、化石燃料車の乗り入れを規制する計画を発表した。 段階的な導入計画  第1段階となる2026年7月1日から12月31...

ベトテル郵便と米フェデックスが戦略提携、国内物流網を世界と直結 (24日)

 国防省傘下の携帯通信大手ベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)の子会社で、郵便サービスでシェア3位の大手宅配会社ベトテル郵便[VTP](Viettel Post)は22日、世界最大

タクシー運転手が咄嗟の機転、女性乗客の特殊詐欺被害を防ぐ (24日)

 北中部地方ハティン省で22日、送金のため銀行に向かおうとしている女性乗客がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用した特殊詐欺に遭っていることに気づき、運転手が行き先を警察署に変更して被害...

グラブベトナム、4月28日から各種サービス料を引き上げ (24日)

 シンガポール系グラブ(Grab)の現地法人グラブベトナム(Grab Vietnam)は、4月28日より配車や配送サービスにおけるプラットフォーム利用料とサービス料を引き上げると発表した。  今回の料金改定により、配車...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2026 All Rights Reserved